米作家エリック・ラーソンのノンフィクション小説『悪魔と博覧会』を原作とした『デビル・イン・ザ・ホワイトシティ(原題)/Devil in the White City』のTVシリーズの製作から米Huluが離脱したことが明らかとなった。米Varietyらが報じている。
『デビル・イン・ザ・ホワイトシティ』は、2019年にレオナルド・ディカプリオ&マーティン・スコセッシ製作総指揮のもとTVシリーズとして企画が発表され、2022年の8月には『ジョン・ウィック』(2014)のキアヌ・リーブス主演、『TAR/ター』(2022)のトッド・フィールド監督で進められていた。しかし、2022年10月に両者の降板が決まると、後任者探しのため一時、製作がストップしていた。
関係者によると、Huluが製作から離脱したものの、完全に製作が中止となった訳ではなく、今後Huluに代わる放送局に売り込みを行う予定だと言う。
また「一流シェフのファミリーレストラン」(2022-)のジェレミー・アレン・ホワイト&『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)のジュード・ロウ主演、『はじまりへの旅』(2016)のマット・ロス監督で、現在も交渉にあたっているという。
原作の『悪魔と博覧会』は、1893年に開催されたシカゴ万国博覧会の建設を請け負うダニエル・H・バーナムと、博覧会の会場付近で連続殺人事件を起こす殺人鬼H・H・ホームズの2人の男に焦点を当てたノンフィション小説だ。
同作の映像化までの道のりは長い。レオナルド・ディカプリオ率いる制作会社アピアン・ウェイが、2010年に映画化権を獲得すると、2015年にはパラマウント・ピクチャーズのもとで、マーティン・スコセッシ監督×レオナルド・ディカプリオ主演×ビリー・レイ脚本の映画化企画として開発が進められていた。しかし映画化企画が頓挫し、米Hulu主導でリミテッドシリーズとして開発が進められた。
TVシリーズでは、スコセッシ、ディカプリオがジェニファー・デイヴィソン、マーク・ラファティらとともに製作総指揮を担当し、「マスターズ・オブ・セックス」(2013-2016)「キャッスルロック」(2018-2019)のサム・ショウが、脚本、ショーランナーを手掛ける予定だ。
スコセッシ監督とディカプリオは、これまで『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)、『アビエイター』(2004)、『ディパーテッド』(2006)、『シャッター アイランド』(2010)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)でコンビを組んでおり、6度目のタッグとなる『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』は、2023 年内にAppleTVで配信される。
また、米ルーズベルト大統領の生涯を描く伝記映画『ルーズベルト(原題)/Roosevelt』でも2人のタッグが期待されている。
今後も2人のタッグは見れそうだが、長年構想された企画だけに実現に期待したいところ。