『ライトハウス』(2019)『ノースマン 導かれし復讐者』(2022)のロバート・エガース監督が手掛ける、『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)のリメイク作『Nosferatu(原題)』に、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)のウィレム・デフォーが出演交渉中である、と米Deadlineらが報じている。
『吸血鬼ノスフェラトゥ』は、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』をベースに、サイレント映画期の巨匠F・W・ムルナウ監督が製作した傑作ホラーで、発表から100年以上が経った今でも「吸血鬼映画の原点」として人気を集めている作品のひとつだ。
本作は、19世紀のドイツを舞台に、呪われた若い女性と彼女に執着する古代トランシルヴァニアの吸血鬼ノスフェラトゥがもたらす恐怖を描いた作品となり、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のペニーワイズ役で一躍脚光を浴びたビル・スカルスガルドが吸血鬼を、リリー=ローズ・デップが吸血鬼に追われるヒロインを演じる。
また、ニコラス・ホルトも出演することが既に報じられており、ここにデフォーがキャストとして加わるかたちだ。
現時点で、デフォーが演じる予定の役柄は明らかになっていないものの、エガース監督とデフォーは『ライトハウス』『ノースマン 導かれし復讐者』でもタッグを組んでおり、彼らの三度目のタッグを望む声は多いだろう。
また、デフォーは2000年に『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)を題材にした『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』に出演し、映画の中でノスフェラトゥに扮した俳優マックス・シュレック役を演じている。本作は彼にとっても、これまでのキャリアと所縁のある作品と言えるだろう。
エガース監督の悲願とも言える企画リメイク版『吸血鬼ノスフェラトゥ』は、2019年にスタジオ8製作、アニャ・テイラー=ジョイ&ハリー・スタイルズのW主演で進行していたものの、新型コロナウイルスによるスケジュールの延期や製作費の見直しにより、一度頓挫していた。
新たに、フォーカス・フィーチャーズが製作に加わったことで、再始動した経緯がある。
今最も新作が期待される映画監督のひとりであるロバート・エガースが自身のクリエイターとしての原点になった作品と明かしている『吸血鬼ノスフェラトゥ』をどのように現代に蘇らせるのか注目だ。
なお、デフォーはヨルゴス・ランティモスの新作『Poor Thigs(原題)』『AND(原題)』、ウェス・アンダーソンの最新作『Asteroid City(原題)』の公開が控えている。